天窓の青いそら ⑶

そういえば私は一度も、

両親から勉強しなさいと言われたことがありません。

幼少期から体が弱かったので、

ともかく早く寝なさいと言われていました。

 

長女だから、しっかりしないといけない。

いつも、いいお姉ちゃんでなければいけない。

 

両親から言われたことはありません。

 

でも、祖母からはいつもそう言われていたので、

心の中では反発しながらも、

いつの間にか、

その価値観がしみ込んでいたのかもしれません。

 

台所で寝転んだりしたら、祖母に行儀が悪いと叱られる。

 

でも偶然、誰もいなかったその瞬間、

ごろんと寝転んだ頭の上に、

天窓から見えた、四角に切り取られたような青いそらと、

光る白い雲が流れていく様子を、

まるで自分の中でシャッターをきるように、

残していたんだなと思いました。

 

きれいだなと思いました。

 

青いそらも、きらきら光る白い雲も。

自分の知らなかった、

美しいことが世界にはあるんだな。

 

漠然とした希望だったのかもしれません。

 

大阪万博は小学校1年生でした。

昭和40年代後半、オイルショックの前で、

社会はまだ明るい希望に満ちた空気感があったと思います。

 

「よかった思い出」として、

この切り取った瞬間が出てきたのはなぜか。

引き続き、考えていきたいと思います。

 

読んでいただいて、ありがとうございます。