天窓の青いそら ⑵

強烈な成功体験は、時として反対の効果になる。

自分をその価値観に縛りつける、と、

今回はそう紗智江さんにアドバイスされました。

 

自分でもそう思い始めていました。

 

そして、

「そこまで、限界を超えるくらいまで頑張らなくても、

人に受け入れられた体験を探してみる」という、

課題をいただきました。

思いつかないのは、世界をそういう見方で見てこなかったからだと。

 

ただ、講座の中で、他の方のお話を聞いていた時、

ふと、考えても思い出さなかった3つ目が浮かんだのです。

 

「小学校3年か4年かの、

ある晴れた土曜の昼下がり。

京町屋の段差がある台所に腰掛けて、

ごろんと寝転んだ時、

高い吹き抜けになったはしり(流し台)の上の、

天窓のガラスから青いそらと白く光る雲が見えた。」

 

多分一瞬だったと思うのです。

両親は家で仕事をしていたので、

土曜のお昼は大抵材料を用意してくれていました。

 

その日も、たこ焼きの材料が置いてあって、

妹たちが、もういいというまで、

ガスコンロの前に立って、

コロコロとたこ焼きを焼いていました。

それから自分の分を焼いて、食べて、片付けて。

ごろんと寝転んだ時、

青いそらと白く光る雲が見えた。

 

何が印象的だったのか。

その思い出を引っ張り出してきた、

今の私の認知はどんな目的があるんだろう。

 

それまでの2つとはかなり違う思い出に、

少し戸惑いを感じました。

 

続く

 

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。