昔から日本では、「早寝早起き」「早起きは3文の得」「腹八分目は医者いらず」など、生活習慣と健康の関係を端的に表すことわざがあります。
誰もが頭では知っていることですが、現代の都市生活ではなかなかね~っと思っていませんか?
私もそうでした。
夜10時過ぎに帰ってからご飯を作り、後片付けやお風呂を済ませ、仕事や勉強にとりかかるのは深夜12時を過ぎてから。パソコンの前に座っているとあっという間に2,3時間経っていて、あーもうこんな時間!っということがしばしば。ヨーガに携わりながらこの不健康な生活は一体何?!でも、今しばらくは仕方がない、ここが私の頑張りどころ!とたくさんの「締切」に追われていました。
その締切がピークに達していた頃、朝起きたら、いかりや長介さん(下唇びろーんで有名だった方)みたいになっていてびっくりしました。口の中の粘膜が腫れて、腫れているから噛むし、舌もひび割れて痛くてたまらない。話もしづらく、食事どころか水を飲んでもピリピリしみる。仕方なく病院に行ったら、口の中のヘルペスでした。抗ウイルス剤が効かず、痛くて喋れないと点滴もしてもらったのに効果なし。そんな状態でのインド修行会では、毎朝5時集合で夜明け前からの瞑想、アーサナ、呼吸法。朝10時頃にフルーツ、ビスケット、チャイをいただき、お昼過ぎに昼食。休憩して午後のサーダナ(実践、練習)の後、夜7時前には夕食をいただく生活。
夜9時半か10時には就寝(深夜12時過ぎまで眠れないけれど、横になって静かに何も食べないでいる)。
ベジで心のこもったお食事と、規則正しい生活。インド滞在2日過ぎたあたりから腫れや痛みが軽くなり、3日目にはカレーもいただけるようになりました。-規則正しい生活と食事は薬や点滴をしのぐ-ということを、身にしみて実感しました。たった1週間のインド集中修行会で、心身の健やかさを取り戻すきっかけをいただきました。いろいろな健康法やスペシャルな食材など、様々な情報があふれる現代社会において、何より本来体が持つ健やかさをそのまま発揮できるようにすることが、今世この体を預かっている私の務めなのに、と心から反省しました。
アーユルヴェーダの教えでも、朝、昼、夜、規則正しく食事をとることが消化力(アグニ)を高め、健康になる基本だと強調されます。消化力、アグニの力こそが生命力だと。夕食は夕方6時から7時、夜遅く食べないことが健康の要。仕事を変えてでも早く食べて早く寝ること!と言われます。(夜勤のお仕事の方、ごめんなさいね。)消化力が高まると排泄力も高まります。ベジで炭水化物率が高いのに、インドに行くと自然に体重も減り体が軽くなります。
アーユルヴェーダの養生法を、スヴァスタヴリッタと言います。ディナチャリヤ(1日の過ごし方)・リトゥチャリア(季節の過ごし方)等、健康で幸せに生きるための智慧がたくさん伝わっています。私のヘルペスや口内炎は明らかにピッタ性(火の性質が優勢な私の体質)からくるもの。イライラとバタバタで、火を大きく燃やしすぎて自分を内側から焼いていたのです。
何を食べるか、はもちろん大切です。何を食べないか(自分の体質に合わないものは避ける)も大切です。でも、いつ食べるか?何時に食べるか?は、それに匹敵するくらい(またはそれ以上に)重要なことなんです。
春から初夏へ、季節は穏やかに変化しました。活動的に動き始めた生活の中で、自分なりの良いペースがつかめたでしょうか?それぞれが持つ無限の可能性、潜在力を高めるためにも、この機会に、食べる時間を見直してみませんか?
太田真由美
2016.05.13